セルフ黒染めの恐怖


色が…色が…





いい加減このネタもしつこいですね。

てなわけで近々黒染めしてもらおうと画策している井上です。


黒染めといえば、自分で黒染めする方、多いですよね。

でも、それって

それなりのリスクをともなうんです。


こんなことがありました。



先日ご来店して頂いたお客様。
なんでも、大好きなアーティストのライブに行くのにカラーをしたい、とのこと。



こんな色。かなりのインパクトカラーです。
これはブリーチ2回やろなぁ…とか、
オンカラーの配合絶妙にせなアカンなぁ…とか、
根元の白いとこは髪質的に難しそうやなぁ…とか考えながらカウンセリング中。

なにげなく髪を触らせて頂きました。







あっ…

これ黒染めしてるやつだ。


そうなんです。
黒染めしている髪はパッと見では分からないこともあります。
しかし、触ってみるとバージンヘアにはない特有の感触があるのですぐ分かります。

僕「あの…黒染め、されてます?」

お客様「?はい、してますよ!(素敵な笑顔)」




Nooooo!!!!!

思わず

と口走りそうになりました。


いや、なにも黒染め自体が悪いわけでは全然ありません。

僕も良くしますし、お客様の髪にも必要があれば黒染めします。


しかし、上記のような明るい色や、一度ブリーチしてから色を入れないと綺麗に仕上がらない色をする時には一気に凶悪な存在と化します。


そう、一度黒染した部分の髪は、

極端に明るくなりにくいのです。


最近ではネットの普及で色々情報を仕入れることができますので、知っている方も多いのではと思いますが、知らない人もまだまだいます。

お客様の素敵な笑顔。

「黒染めしてますが何か?」

と言わんばかりの純粋な笑顔。


これはきっと知らないのでしょう。

もし知っててこの笑顔だとしたら将来が心配です。



しかし!まだカラーできないと決まったワケではありません!


最近の美容師は、その後カラーチェンジ可能な黒染めする方も多いのです!


抜けない黒染
→今後カラーチェンジしない方に。黒髪が長持ち

抜ける黒染
→一定期間だけ黒髪にしたい方に。明るく出来る


といった具合です。

この黒染めが美容室で染めたものなら、まだワンチャンある!!!


僕「黒染めはお店でされましたか?」

お客様「いいえ、自分です!」



もうダメだぁ…おしまいだぁ…


僕の絶望した表情を見て察したのか、お客様が聞いてきました。

お客様「えっ…?何かマズイんでしょうか…?」
僕「と…とりあえずテストカラーしてみましょう…」

注:テストカラーとは
髪色がどれだけ抜けるか等、髪の状態をチェックすること。大抵少量の毛を取ってブリーチする

さぁ、黒染してる毛をカラーしようとするとどうなるか、ご覧頂こう。


1.2.3!!!

お分かり頂けただろうか…?


丁度髪の中間辺りに、暗い境目がハッキリ見えると思います。ここが黒染め履歴のある部分です。

こんな具合に、色素が残り、暗い&ムラになるんです…

そしてそこに色を乗せても、ベースの色が違うので、綺麗に染まらなくなってしまいます。




これはかなり厳しいと思い、お客様にはその旨をしっかりと説明させて頂きました。

「…で、ありますので、今回はカラーはしないほうがいいかと…」

説明していくうちにみるみる悲しそうな顔になるお客様。

心が…痛い…

僕は、こんな悲しい顔をお客様にさせたくて美容師をやっているのか…?
笑顔にするならまだしも、悲しませるなんて…。

僕「今回は…カラーは…」

お客様「…(悲しげなお顔)」

僕「カラーは…」

お客様「…(悲しげな瞳)」

僕「やめておいたほうが…」

お客様「…」

僕「…」


お客様「なんとか、なりませんか…?」



うおおおおおお!!

しゃーんなろー!!!

やったろうじゃねーかーーー!!!


ワイはお客様の笑顔がみたいんじゃぁぁーい!!!

諦めんな!諦めたらそこで試合終了だって昔の偉い人が言ってた!!






しかしながら、出来るものは出来る、出来ないものは出来ない。


カラーをするにあたって、以下のことをお客様に了承して頂きました。


・クオリティは多少落ちる(ムラになる)
・真っ白は絶対無理
・時間めっちゃかかる

お客様には快く了承していただき、僕と黒染め毛との一騎打ちが始まりました。

そして…


6時間後!



おおー!いい感じ!
恐れていたクオリティの低下ですが、幸いにも目立ったムラはあまり出ず、お客様も笑顔でお帰り頂きました。

そして最後に、お家黒染めはもうしないと言っておりました 笑



よかった…。

これで自分カラーの悲しき被害者をまた一人、救う事が出来た…。


そんなこんなで、僕と黒染め毛との長きに渡る戦いは終結したのでした。

良い子のみんな!カラーは美容室でしようね!


注:今回の施術はあくまで一例です。髪の状態によっては完全に施術が出来ない場合もありますし、逆にもっとカンタンに出来る場合もあります。まずは担当美容師さんに相談してみましょう。


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